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丸の内331

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100年人生を見据え、“求められる人”として。

『ライフシフト 100年時代の人生戦略』(リンダ・グラットン著)が話題です。本書では、薬や医療システムの進歩によって人類は100年生きることが普通になる。そして、AIが多くの仕事を代替できるような世の中になる。そんななかでどう生きていけばよいのか?というテーマを投げかけています。経済学者らしいアプローチで、年代別の収支やキャリア選択まで、かなり具体的なモデルケースが記されています。先日、電車のなかで、この本を熱心に読んでいる女子学生を見ました。若い世代にとっては、より切実なテーマなのでしょう。

これまでは、“60歳ぐらいまで一つの会社で勤めて、その後は退職金や年金とともにリタイアし、80歳過ぎてこの世を去る”つまり、ワンキャリアワンシフトの人生が主流だったわけですが、これが100年となると、そうはいきません。年金受給開始年齢や支給額も重要な問題ですが、その先が20年なのか40年なのかは、人生設計を根底から変える大問題です。少なくとも、ツーシフト、人によってはスリーシフトの人生が待っているということになります。この事実、総じて不安を持って受け止められることが多いような気がします。

しかしながら、考えてみると、そもそも日本において、決まった年齢での退職(定年)という概念が一般的になったのは戦後のことです。その前は、人それぞれでしたし、江戸時代には、「ご隠居さん」という、何かと頼られ尊敬される存在がありました。そして職人の世界では、熟練の技を持つ人は、今もなお求められる存在であり続けています。その意味で、“100年人生を考える”という投げかけは、日本が長い間培ってきた生き方を見直す機会なのかもしれません。

会社を退職された後も、溌剌として日々を送られている方には、明確にひとつの特徴があります。それは、人を立場で差別しないことと、“いい意味でおせっかい”であるということです。今や転職はあたり前の時代ですが、これがツーシフト、スリーシフトとなると、どこでどんなご縁があるかわかりません。立場での関係性ではなく、対個人での関係性が大切になってきます。お世話好きの方は、意識せずとも人脈が社内外に広がっていきます。そのご縁は、会社という組織がなくなった後も、ずっと続きます。つい最近も、そんな方のプロジェクトをお手伝いする機会があり、“求められる人”のパワーを目の当たりにしました。そんな方には、100年という月日も短いのかもしれません。

(2017年7月 春夏秋冬)

  • “ 専門性の鎧をまとい「再帰的自己」の確立を
  • “ 説明のつかない不安 ”を解消する実践と事実。
  • 丸の内331 未曽有の「流動的で不確定な社会」を生きていく。
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