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リレーエッセイ Vol.13 白戸太朗さん

私にとって仕事とは、自分がやりたいことの実現である。
つまり、自分がやりたいと思うことをやっていることが、仕事になっている数少ない幸せ者ということになる。

「スポーツの本当の楽しさを知ってもらいたい。スポーツを通して人生を豊かにして欲しい」というようなことを実現したいと思い、それが現在の日々の仕事に。
もともと、自分の可能性を追求している間にプロのアスリートとなり、その楽しさ、魅力を説いている間に、セミナーや講演、執筆などの仕事をするようになる。
そのうち自分の種目にとどまらなくなって……、スポーツナビゲーターとして、TVや雑誌、大会作りなどを巻き込んだ、現在の活動スタイルとなった。

「好きなことができて羨ましい」とよく言われるが、私自身、それで生きていくためには犠牲にしているものもある。例えば、収入や安定。一般的に、人々が求めるこれらにこだわるなら、私の立場になんていられるはずもない。安全なところに立って、崖っぷちにいる私を羨まれても、“それは本気ではない”と思わざるを得ない。
やりたいなら、それを取りに行くしかないのだ。

かといって、私に悲壮な決意なんてまるでない。ただ、追求したいものがあり、やりたいことがあり、それに進んでいくだけ。もちろん生活はしなければならないので、お金の計算もしなければならないが、目的は活動にあり、お金ではないだけ。もちろん、私は欲深い人間なのでお金は欲しいが、それ以上に欲しいものがあるというだけである。

これは資格だって同じ。資格を取るために頑張るのではなく、何かをするために向上させる必要があるから取得するもの。活動の本当の目的を追求していかないと、“手段のために頑張る”という本末転倒なことになってしまう。

「やりたい仕事」は、「やりたいこと」があってこそ、その先に見えてくるものだと思うのだが、いかがだろうか。

仕事にまつわる10問アンケート

  1. 今の仕事が好きですか?

    もちろん! 趣味が仕事になったので、嫌いなはずがない。

  2. 一生困らないほどのお金が手に入ったら、仕事以外にやりたいことは?

    基本的に、今も「やりたい」と思っていることをやっているので、お金が入っても、同じように人にスポーツを説いていると思う。ただ、もう少し余裕をもって行動しているとは思いますが…(笑)。

  3. 仕事で、"鳥肌が立つほど感動した"ことがありますか?
    それはどんなときですか?

    「お陰で、人生が変わりました」と感謝されることがある。そんなとき、“この人の人生を豊かにすることに加わった”と思うと、シビれるような感動が!

  4. 仕事より大切なものは?

    仲間、友人、家族。これがあってこその自分がある。

  5. 子供の頃になりたかった職業は?

    スポーツ選手、先生。そう考えると、今の立場はそのMIXしたかたちなのかもしれない。

  6. あなたの子供に、仕事のためにどのようなことを身につけさせたいですか?
    (※子供をお持ちでない方は、いると仮定してお答え願います)

    自分の価値観で判断すること。日本人は、とかく人の価値観に流されがち。
    自分がない奴には人の気持ちなんて動かせない。

  7. あなたの仕事にとってコンピュータとは?

    大事な部下です。一人でいろいろ飛び回り、いろいろとやる立場において、彼がいないと困るな~。

  8. 仕事で成功するために、もっとも大切なことは?

    まだ成功していない自分が言うのもなんですが、「情熱と夢、そして好奇心」。

  9. いま、1時間だけ自由な時間があったら、何をしたいですか?

    やった~! 泳ぎに行こうっと!

  10. 最近読んだ本で、仕事に役立ったのは?

    ちょっと古いのですが、この本は私にとって「健康とスポーツ」を考えるきっかけになった大切な1冊です。
    『フィットorファット―やせる・ふとるの科学』
    [コバート・ベイリー著/ブックハウス・エイチディ(1983年)]

トライアスリート&スポーツナビゲーター 白戸太朗(しらと・たろう)

【Profile】

1966年京都府生まれ。
1990年代初頭から日本人として初めてトライアスロン・ワールドカップを転戦したパイオニア。
1996年からは、アイアンマン・レースに転向し、アドベンチャーレースにも積極的に参加。
現在は、スカイパーフェクTV(J SPORTS)へのレギュラー出演をはじめ、テレビ、ラジオ、雑誌などさまざまメディアで活躍する一方、トライアスロン/アドベンチャーレース大会のプランニングやレース/コースディレクション、講演、セミナーを行うなどその活動は多岐にわたる。

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