情報の溢れかえる現代だからこそ、あえて、“情報接触の機会”を作ってもらうサービスをはじめたのは、自身の経験に基づく想いからでした。
大学3、4年の時にインターンでアメリカ系投資顧問会社のアナリストとして働きました。学生ながら、さまざまな企業の経営者の方と話すことができ、知らない世界に触れ、新しい発見をする毎日は、刺激的で楽しかったです。でも、新卒で進んだのはプログラマーへの道。これからはITの知識がビジネスパーソンには必須だと思っていたこと、また、中学高校時代からパソコンを自分で組み立てるほど興味があったからです。プログラマーは目の前のシステム開発に集中し、深く掘り下げていく仕事。仕事自体は楽しく、性にも合っていたため休みなく働いていましたが、2年ほど経ったとき、忙しさのあまり家と会社を往復するだけになってしまった毎日の中で、目の前の仕事以外の新たな情報に触れる機会もなく、蓄積のなくなっている自分に気づき、危機感を抱きました。
そこで一度立ち止まり、新たな風を入れるべく、東京工科大学大学院のバイオ・情報メディア研究科のアントレプレナー専攻に、第一期生として入学することに。そこで学ぶうちに、これからはどんな仕事をしていくにしても、専門性と同時に広い視野を持っていないといけないと痛感。その頃、忙しくてなかなか視野を広げるための情報に触れることができない、というビジネスパーソンが多いことに気づきました。でもその一方、出版業界では本が売れないと言われている。これは両者をつなぐサービスが何かできるのではないか、という思いから、世の中で知られずに埋もれていってしまう良書のダイジェスト版を作って配信するサービス「SERENDIP(セレンディップ)」の構想が生まれました。早速、大学院に入って半年後の2005年11月に情報工場を立ち上げました。
「SERENDIP」は、週4冊の厳選書籍・雑誌のダイジェスト版をメール配信しています。短すぎても背景や本質は伝わらない、単なるあらすじを追った要約では興味のない人には読んでもらえない、ということから、本文抜粋スタイルでハイライトを伝えるダイジェスト(3,000文字)にこだわっています。これは、映画でいうところの“予告編”。興味がない人にも訴求して、それまで視野になかった分野にもアンテナを広げ新たな価値に気づいてもらう。“情報接触の機会”を作るという我々のミッションを叶えるため、このスタイルを創業時から貫いています。最近では企業での活用も増え、「この本いいね!買ったよ。」と言ってもらえるのが何よりも嬉しく励みになっています。また、大手書店が「SERENDIP」で取りあげた本のコーナーを作るなど、情報工場の選書がユニークだと徐々に認められてきています。今後の目標としては、まだ翻訳されていない海外の良書を日本で紹介するサービスに一層力を入れ、逆に日本の本を海外にも紹介していきたい。そして世界中での気づきあいのプラットフォームになれればと思っています。
私にとって、働くことはワークライフバランスならぬ、ワークライフミックス。仕事も趣味も一体ですし、365日やっていても苦ではない。手を抜いて後悔するくらいなら、今は全力で会社を発展させるために尽くしていきたいです。
はい。かなり。
海や魚が小さい頃から好きだったので、水の浄化などの技術研究をしてみたいです。
さまざまな経営者の方からお話を聞く機会が多く、感銘を受けることも多々あります。
今は仕事が一番。
漁師。釣りや海産物が好きだったので(笑)
語学。学生時代に留学するのは、自分がしておけばよかったという意味を含め、よいと思います。
ないと何もできません。
仕事のなかに何かひとつ、“本当に好きで楽しい”と思えることがあること。そうすると、長く続けられると思いますし、続けていけば、いつか成功するのではないでしょうか。
1時間なら仕事です…。1日自由になるなら、山や海に行きたいですね。
1980年生まれ。東京都出身。2002年に慶應義塾大学経済学部卒業。ソラン株式会社(現・TIS株式会社)でのクレジットシステムの開発エンジニアを経て、株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチにて、日本株担当アナリストとして企業調査、産業分析などの業務に従事。その後、株式会社情報工場を2005年11月に設立し代表取締役に就任。多忙な経営幹部、営業部員、新入社員に書籍・雑誌のダイジェストを提供し、幅広い視野を身につける“きっかけの場”を提供している。
2007年3月、東京工科大学大学院バイオ・情報メディア研究科修士課程修了(MS)。