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リレーエッセイ Vol.68 白石 草さん

私の場合、実は「仕事」というものを深く考えたことがありません。両親が芸術家だったということもあり、“将来は、自分の好きなことで生活が成り立てばいいな”と、漠然と考えていました。子どもの頃から、憧れていた職業は絵本作家や映画監督など、基本的に表現する仕事。確かに、小さな頃から、そういうことに生活のなかで触れていたと思います。

今、私が一番感じるのは、人生のなかに無駄な経験というものは一切ないということ。たとえ回り道に思えることも、仕組まれた「必然」なのではないかと考えています。例えば、私は大学卒業後、テレビ局のいわゆる下請け会社に入りました。ところが、ディレクター職を希望していたにも関わらず、配置されたのは技術職。経験も知識もまったくなく、一から学ばなければなりませんでした。しかし今思えば、この時の経験がなければ、今の私はないと思います。

また、2人の子どもができて、報道部門からデジタル放送推進室という企画部門に異動となったことも同様です。長い間、ニュースの現場で働いてきた私にとって、番組づくりと異なるセクションへの異動はいわば拷問でした。けれど、このセクションで世界のメディアの潮流を学んだことで、インターネットの動画がいずれ世界を席巻するのだという予感を与えてくれたのです。

一期一会といいますが、予期せぬ出来事にも柔軟に対応し、毎日を丁寧に生きることが、次のステップにつながるのではないでしょうか。

仕事にまつわる10問アンケート

  1. 今の仕事が好きですか?

    自分ではじめた仕事なので、とてもやりがいがあります。
    時には浮気したくなりますが。

  2. 一生困らないほどのお金が手に入ったら、仕事以外にやりたいことは?

    今の仕事は非営利活動なので、いつもお金に困っています。
    なので、手に入ったお金は団体に全部寄付しますね。

  3. 仕事で、"鳥肌が立つほど感動した"ことがありますか?
    それはどんなときですか?

    時間をかけた映像作品が生まれる時は、自分の作品であれ、仲間の作品であれ、いつも鳥肌です。

  4. 仕事より大切なものは?

    毎日の暮らし。日々を豊かにするためにどうすればいいのか。事業として目指していることでもあります。

  5. 子供の頃になりたかった職業は?

    小学校の時は絵本作家。高校では映画監督。舞台監督やアニメ監督の時期もありました。だいたいクリエイティブな職業ですね。

  6. あなたの子供に、仕事のためにどのようなことを身につけさせたいですか?
    (※子供をお持ちでない方は、いると仮定してお答え願います)

    好きなことを極めて欲しいと思っています。集中力とコミュケーションの力。

  7. あなたの仕事にとってコンピュータとは?

    最大の必需品です。
    パソコンで映像編集ができなくなったら、仕事を辞めるでしょうね。

  8. 仕事で成功するために、もっとも大切なことは?

    情熱、そして継続性かな。
    地道に自分の道を進むしかないのではないでしょうか。

  9. いま、1時間だけ自由な時間があったら、何をしたいですか?

    一人でお茶をする。仕事と子育てで、基本的に一人になる時間がありません!

  10. 最近読んだ本で、仕事に役立ったのは?

    『歩きながら問う- 研究空間「スユ+ノモ」の実践』
    [金 友子著/インパクト出版会]


    自由で風通しの良い共同体をどうつくるか。とても参考になりました。

【2010年11月インタビュー】

特定非営利活動法人Our Planet-TV
代表理事 白石 草(しらいし・はじめ)

【Profile】

1993年、早稲田大学卒業後、番組制作会社を経て、1995年に東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYOMX)に入社。ビデオジャーナリストとして、ニュース・ドキュメンタリー番組の制作に携わる。2001年に独立し、非営利のインターネット放送局『Our Planet-TV』を設立。独自番組の制作ならびに配信を行う一方、市民向けのビデオワークショップなど多数のプロジェクトをプロデュース。一橋大学大学院社会研究科客員准教授および早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコース講師。

【著書】
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