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リレーエッセイ Vol.100 大石 亜紀子さん:全力で生きること

私が担当する想像戦略室には、社内コミュニケーション促進や総務を行う「EFMブロック」と採用活動などを行う「人自(じんじ)ブロック」があります。私はどちらの業務にも携わっていますが、新卒採用をやっていて感心するのは、就活生は自分のやりたいことや未来をしっかり考えて動いている、ということです。

大学を卒業した1997年時の自分のことを振り返ると、就職活動の仕方もわからず興味もありませんでした。何のために社会に出るのか、どんな仕事をしたいのかを深く考えることのないまま、その時やっていた派遣の仕事を続けるかたちで社会に出ました。その後、派遣切りの憂き目にあい、次に勤めた音楽関係の派遣先では、「正社員ではない」という理由から仕事の深い部分までは関わらせてもらえず、だんだんと物足りなく感じるように。そしてようやく、「働くこと」に対して正面から向き合い、“もっといろんなことを自分で考え、この手でやってみたい!”という気持ちが湧きあがってきました。そこで門をたたいたのがスタートトゥデイでした。

入社当時は7人ほどの小さな会社で、採用募集もありませんでした。調べると、代表はミュージシャンから転身してアパレルのECビジネスを軌道に乗せている。そんな生き方に興味を覚え、直接会社に電話したのが入社のきっかけです。現在も社内のさまざまな部署で活躍している同期3人も、“興味があったから自分から電話してみた”という人ばかり。入社したての頃は戸惑うことも多く、“逃げたい”と思うこともありましたが、その都度みんなで話し合い、自分たちで改善していく前向きさがこの会社にはありました。そして、与えられたことをこなすのではなく、自分が気づいたことを発信して実行する、という働き方に魅了されていきました。

2004年に『ZOZOTOWN』を立ち上げた当時は、“ネットで服が売れるわけない”、“ネットでの洋服販売は安売りのイメージを与える”という障壁があったため、出店の営業は苦労が続きました。そんな折、業界大手のユナイテッドアローズさん(以下、UA)との取引が決まりました。この奇跡的な出会いは、トップ同士が価値観や想いの部分で通じあえたことで叶いましたが、その後、「UAさんが出店しているなら」と他社大手アパレルブランドも出店してくださるようになり、これがその後の『ZOZOTOWN』の出店ブランド増加に影響したのは言うまでもありません。

これまで無我夢中で働いてきましたが、いまは一児の母として育児にも奮闘しています。私は、実家も近く、親や姉妹に助けてもらえていますが、1人で家事も育児もまっとうしている方は本当に大変だと思います。会社に勤めるだけが“働く”ということではなく、いろいろな立場の1人ひとりの“働き”があって社会が成り立っているということを、親になってことさら強く感じています。
また、母親になったことで視野が3Dになり、物事を広く捉えるようにも。私の密かな願望に「ひ孫を見たい」ということがあり、現在の自分の行いが、ずっと先の未来、ひ孫の生きる世界に影響を与えると思うと、毎日の一つひとつの行いにも気持ちが引き締まる。それは仕事でも同様で、自分の行動や想いは次の世代につながっていくので、“必ず未来は開けている”と信じて全力で今を生きたいと思っています。

仕事にまつわる10問アンケート

  1. 今の仕事が好きですか?

    はい。

  2. 一生困らないほどのお金が手に入ったら、仕事以外にやりたいことは?

    今やっていることが生涯を通じて一番やりたいことなので、特に思いつきません。

  3. 仕事で、“鳥肌が立つほど感動した”ことがありますか?
    それはどんなときですか?

    日々あります。私は人事も担当しているのですが、いくつもの段階を経て内定したメンバーが4月に揃って入社してくるときは、毎年感動します。

  4. 仕事より大切なものは?

    5歳になる娘、家族。

  5. 子供の頃になりたかった職業は?

    幼稚園の時は、「動物園の飼育員になりたい」と言っていました。

  6. あなたの子供に仕事のためにどのようなことを身につけさせたいですか?
    (※子供をお持ちでない方は、いると仮定してお答え願います)

    表現力や発信力など、“自分自身を外に出していく力”を身につけてほしい。

  7. あなたの仕事にとってコンピュータとは?

    手助けのツール。

  8. 仕事で成功するために、もっとも大切なことは?

    自分にとって、一番必要なことに取り組むこと。

  9. 今、1時間だけ自由な時間があったら、何をしたいですか?

    寝たいです(笑)。あるいはマッサージに行きたいです。

  10. 最近読んだ本で、仕事に役立ったのは?

    『読むだけですっきりわかる日本史』 [後藤 武士著/宝島社]
    歴史には、誰かの戦略によって物事が動いていく瞬間が詰まっていて学ぶことも多いです。
    “想い”があっても成し遂げられなかったことを、その“想い”ごと次の世代が引き継いで時代が動いていく---。それは、会社と同じだと思います。

【2013年4月インタビュー】

株式会社スタートトゥデイ 取締役
大石 亜紀子(おおいし・あきこ)

【Profile】

1976年千葉県生まれ。1997年、日本女子体育短期大学卒業後、派遣社員として通信会社オペレーター、音楽系出版社の制作アシスタントとして働く。その間、会社都合による一斉解雇に遭い、約1年半の無職期間も経験。
2002年5月にスタートトゥデイ入社。入社後、アパレルブランド新規営業を担当し、2004年にはZOZOTOWNの立ち上げメンバーに。2006年にEC事業本部ストア運営管理部ディレクター、2007年に取締役EC事業本部長に就任し、約100店舗の立ち上げに携わる。2012年4月より現職。

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