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リレーエッセイ Vol.167 株式会社フライヤー 代表取締役 大賀 康史さん

私にとって、働くうえで揺るぎない3つの軸があります。それは、「1.知的好奇心が満たされる」「2.チームの一体感が得られる」「3.社会的意義がある」です。これまでずっと、この3つの軸が叶う仕事をしてきました。

就活は、コンサルティング業界に絞り、2003年にアクセンチュアに入社。私は昔から歴史が好きで、“軍師”に憧れていましたが、現代でも企業のなかで“参謀”のような役割を担える経営コンサルティングという仕事があることを知り、ぜひやりたいと思いコンサル業界へ。アクセンチュアでは約7年勤めました。2社目のフロンティア・マネジメントでは、業績悪化傾向の地方の企業に出向いてのコンサルティングで、地方活性化にもつながる社会的意義の高いやりがいのある日々だったので、一生この仕事をしていこうと思っていました。ですが、この後、急に「起業」という大海原へ舵を切ることに…。

きっかけは、同僚たちとの雑談。「忙しくても情報がキャッチアップできる本の要約が、すきま時間にスマホで読めるサービスがあったらすごく便利だね」というアイデアが出て、「じゃあ作ってみよう!」という話に。きちんとしたものを作るなら、片手間では無理なので会社を辞めよう、ということになり、この話を金曜に上司にして、翌週の火曜には退職。この急な起業への決断に、「応援する」と背中を押してくれた妻には感謝しかありません。

2013年6月に元同僚と3人で株式会社フライヤーを設立。今年で6年目になりましたが、「本の要約サイトflier(フライヤー)」は、毎日1冊新しいビジネス本の要約を公開していて、無料・有料プランを合わせ、現在の会員数は28万人を超えました。要約本の選書は、月2回の有識者を集めた選書委員会で厳選。選定基準は、“ビジネスにおいて役立つこと”を大前提として、1.革新性、2.応用性、3.明瞭性に沿うかどうかに焦点を当てています。要約の執筆はさまざまなジャンルの専門家に依頼し、書籍編集のプロが校閲した後、その本を担当した出版社の編集者と著者にもチェックしてもらっているので、書籍なみの極めて高品質な要約を提供しています。

今後の目標としては、まずは2-3年後の会員数100万人を目指して活動していきます。良い本がより多くの人に広まっていくことで、世の中にイノベーションが生み出されるきっかけがもっともっと増えると思うので、いずれは海外にもサービスを展開して、世界中の良い本を扱っていくのが大きな目標です。

働くうえで私が大切にしている言葉に、デカルトの「困難は分割せよ」があります。どんな難題でも、それを5や10の要素に分けて考えれば、その一つひとつは割と簡単にできるものだと。よって、「絶対無理」だと思うことに直面しても、要素を分けたり何人かで分担すれば、当初思った以上に簡単に解決できると確信しています。

私にとって働くことは生活の一部。楽しみでもあり、あって当然の自然としてあるものです。もともと本が好きではじめたビジネスで、素晴らしいメンバーに恵まれ、充実した毎日です。年間8万冊もの本が出版されるなか、多くの人へ、心に響く本や新しいことを創造する知識を届けるために、自分も本と真摯に向き合う日々を過ごしています。

仕事にまつわる10問アンケート

  1. 現在の仕事に対する満足度は?

    今までの人生のなかで、満足度は一番高いです。

  2. 一生困らないほどのお金が手に入ったら、仕事以外にやりたいことは?

    スタートアップの支援や起業家のメンターなど、今もすでにやっていますが、
    チャレンジしようとしている人の支援。

  3. 仕事で、“鳥肌が立つほど感動した”ことがありますか? それはどんなときですか?

    以前からいつも見ていたTV番組の『WBS ワールドビジネスサテライト』に、フライヤーを取りあげていただいて出演した時。

  4. 仕事より大切なものは?

    家族と会社のメンバー。

  5. 子供の頃になりたかった職業は?

    プロ野球選手。実はなりたいものが明確にあったわけではなくて、野球をやっていたので、聞かれたらそう言っていました(笑)。

  6. あなたの子供に、仕事のためにどのようなことを身につけさせたいですか?
    (※ 子供をお持ちでない方は、いると仮定してお答え願います)

    好きなものや得意なものを追求する力。そしてその元となる好奇心。何事も好奇心が行動を起こす源になると思いますし、やりたいことをやりたいだけ自由にやれるようにしてあげたいです。

  7. あなたの仕事にとって、パソコンはどんな役割を果たしていますか?

    考えを生みだす促進剤。モニターとキーボードというのはよくできていると思っていて、モニターを見ながら手を動かして考えるというのが、思考を整理していくうえでも効果的だと感じています。

  8. 仕事で成功するために、もっとも大切なことは?

    「何かをやる!」と決めたら、できるだけ目標を高く持つ。自分の将来像やセルフイメージ、ヴィジョンを高いところに設定することで、可能性を引き延ばしていくこともできると思うので。

  9. 今、1時間だけ自由な時間があったら、何をしたいですか?

    本の執筆に充てます。締切間近のものがありまして(笑)。

  10. 最近読んだ本で、仕事に役立ったのは?

    『ティール組織―マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』[フレデリック・ラルー著/英治出版]
    メンバーが自立して、セルフマネジメントで働いている組織が「ティール組織」。成功している海外の企業事例なども紹介しています。話題にもなっていますが、とても素晴らしい本です。

就活中の学生に向けて

  1. 今、学生に戻れるならどのような経験をしておきたいですか?

    1.海外に1年くらい行く。
    これは純粋に、世界を広げるためにですが、英語力も身につけられるので、行っておいて損はないと思います。
    2.起業する。
    学生なら何のリスクもないし、仮に失敗しても、それはチャレンジに対する評価となりプラスになります。物事は、「成功するか、失敗するか」ではなく、「成功するか、教訓を得るか」だと思うので。

  2. 「内定」を出すとき、もっとも重視するのは?

    まずはカルチャーフィット。お互いを尊重できるか、本心で話せるか、本が好きかなど、弊社の社風にフィットするかは重視します。あとは、入社した後のポテンシャルや伸びしろが感じられる人かどうかということも大切にしています。

  3. パソコンを使えない学生について、社会人の先輩としてどう思いますか?

    社会人になると、かなり使うことになるので、使い方を具体的にイメージして勉強することをお薦めします。例えば、どこかの会社でインターンをするなど、実際のパソコンの使い方や必要性を知ってから勉強すると、実践力につながる勉強ができるかと。

  4. 自分が社会人になったとき、身につけておいて良かったことは?

    新しいことを独学で身につけること。私自身、大学の頃から簿記や情報処理などの資格はテキストを使って独学で取得しました。“しっかり勉強さえすれば、結果が得られる”という経験は、どのような局面にも応用でき、恐れがなくなります。それがいま、「何か新しいことをやらなければならない」というときに、学べば必ずできるという自信になっているので。

【2018年10月インタビュー】

株式会社フライヤー 代表取締役
大賀 康史(おおが・やすし)

【Profile】

1978年東京都生まれ。2003年に早稲田大学大学院(理工学研究科)修了後、アクセンチュア株式会社の製造流通業本部に入社し、プログラミングなどを含めたシステム開発に従事。約3年後に同経営戦略グループに転属して経営コンサルティングに携わる。その後、“企業再生”の領域に踏み出すためフロンティア・マネジメント株式会社に転職。2013年6月に株式会社フライヤーを設立。1冊10分で読めるビジネス書の要約サイト『flier(フライヤー)』を運営。著書に『ターンアラウンド・マネージャーの実務』(商事法務)、『7人のトップ起業家と28冊のビジネス名著に学ぶ起業の教科書』(ソシム)。

 

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