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リレーエッセイ Vol.179 ユーバー株式会社 代表取締役 中村 里香さん

息子と近所の子どもたちを集めた小さなワークショップ。それが自分でプログラミング教室を始めるきっかけになりました。

2013年、政府の成長戦略に義務教育段階からのプログラミング教育等のIT教育の推進が盛り込まれ、2016年には2020年からの小学校課程におけるプログラミング教育必修化の検討が文科省によって発表されました。これに先立ち2016年頃に子どもに習わせようとプログラミング教室を探しました。当時はまだ、高レベルな内容かつ高額な講座が多く、アクセス的にも自宅から気軽に通えるようなところはありませんでした。そこで、自分で教えてみようと思い、近所の子どもたちにも声をかけてワークショップをやることに。ワークショップは、同じ職場だった林田(共同創業者)と協力をして、毎週末に市民施設などを時間借りしてボランティアで1年以上続けました。その際に、「やってみたい」という子どもが100人ほど集まったこともあり、手ごたえを感じていたので、2017年4月にユーバー株式会社を立ち上げました。
そもそも、私自身は学校の先生になりたくて教員免許を取得しましたが、教育実習時に“思い描いていたものとは違う”と気づき、就職先をIT系へ変更。新卒で就職してから家電メーカーのIT部門でセールスエンジニアとして10年ほど研鑽を積み、その後はIT教育にまつわる仕事をいくつか経験してきました。この頃から、人に教えたり、カリキュラムを作成したりしてきたので、その経験が現職につながっていると思います。

「ユーバープログラミングスクール」は、幼稚園の年長さんから小学6年生までを対象に、現在は直営3校(東陽町・豊洲・九段下)に約80名の受講生が通っています。併せて、学童への教材販売なども手がけています。講師も教材作成も自社で行い、試行錯誤しながらブラッシュアップを続けているので、現在の教材は子どもたちが楽しみながら、必要なカリキュラムをこなしていけるものになっていると自負しています。これらのノウハウを元に、今後はより多くの人々に「楽しく、手軽に、親も子もラクに」プログラミングを学んでもらえるよう、書籍を執筆したり、ベネッセのプログラミングWeb「イマクリ」で教材の制作協力をしたりしています。また、講師志望の大人向けとしては、ICT教育ニュースと共催で毎月「プログラミングの教え方」の講習会を実施しています。動画配信の希望も多いので準備中です。

この仕事をやっていて嬉しいのは、「この教室に通い出してから、息子が文章を組み立てるのが上手になった」などの声が親御さんから届いた時。実際に、生徒さんの成長を実感すると、頑張ってきた甲斐があったとやりがいを感じます。また、年に一度『デジタルえほんアワード』(※)という、世界数十カ国から作品が集まるコンテストにスクールの子どもたちと参加していて、キッズ部門のグランプリ、準グランプリを2年連続でいただきました。モノ創りを通じて協働する楽しさや、課題や締め切りへの対応を経験することで、子どもは本当に大きく成長するので、毎年チャレンジしていきたいと思っています。

私にとって働くことは生きること。豊かに生きるために必要なのは、豊かに働くことだと思います。巡り巡って小さい頃の夢だった「先生」としてプログラミングスクールを運営していますが、教室運営がゴールではなく、子どもたちの未来が豊かなものになるよう、ここで学んだことを将来役立ててもらえればと思い、より多くの人にプログラミング的思考力の大切さを広く伝えるべく奔走しています。

※世界各国からデジタルえほん作品を募集するコンテスト。

仕事にまつわる10問アンケート

  1. 現在の仕事に対する満足度は?

    まだまだ課題はありますが、やりたいことができているので満足しています。

  2. 一生困らないほどのお金が手に入ったら、仕事以外にやりたいことは?

    いま興味があってやってみたいのはデッサンの勉強。その他、子どもにもいろいろな学びや経験をしてもらいたいので、そういった“学び”に使うと思います。

  3. 仕事で、“鳥肌が立つほど感動した”ことがありますか? それはどんなときですか?

    嬉しいことはたくさんあります。物事がなかなか上手くいかない時に、親身になって応援してくれる人が必ず現れるので、感動するとともにそういう存在にはいつも励まされています。

  4. 仕事より大切なものは?

    家族。

  5. 子供の頃になりたかった職業は?

    学校の先生。教えることに興味を抱くきっかけになった憧れの先生がいて、そんな良い先生に巡りあったことで、いつか自分も教える仕事をしたいと思うようになりました。

  6. あなたの子供に、仕事のためにどのようなことを身につけさせたいですか?
    (※ 子供をお持ちでない方は、いると仮定してお答え願います)

    何かあった時にへこたれない柔軟性。あとは、何が起こるかわからない時代なので、稼ぐことのできる何かを、一つでも多く身につけてほしいです。

  7. あなたの仕事にとって、パソコンはどんな役割を果たしていますか?

    ずっと使っているので、なくてはならないもの。

  8. 仕事で成功するために、もっとも大切なものは?

    誠実さ。折れそうになってもくじけない、諦めない心。

  9. 今、1時間だけ自由な時間があったら、何をしたいですか?

    2、3時間あれば映画が見たいですが、1時間なら美術館に絵を見に行きたいです。

  10. 最近読んだ本で、仕事に役立ったのは?

    『 山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた 』[ 山中伸弥 著 / 講談社 ]

就活中の学生に向けて

  1. 新入社員に「必要なモノ3つ」と、その理由は?

    「学ぶ姿勢」と「体力」の2つ。強いてもう1つ挙げるなら、「素直さ」。
    これらがあれば、たいていのことは何とかなります。

  2. 不安や困難に直面したときの対処法は?

    食べて、飲んで、寝る。
    次の日起きたら、問題を客観視することができるようになっています。

  3. いま、学生に戻れるならどんな経験をしておきたいですか?

    留学。一度働きだすと、時間がなくてなかなかできないので。

  4. 「パソコンスキルがあること」は、採用に有利になると思いますか?

    有利というより、もはやあたり前。ないと話にならないです。

【2019年10月インタビュー】

中村 里香(なかむら りか)
ユーバー株式会社 代表取締役

【Profile】

大学時代は文学部に所属し教員を目指していたが、卒業後はIT企業に就職。以後、セールスエンジニア、サポートエンジニア、インストラクター、プロジェクト管理者としてエンジニア教育、ICT教育に携わる。
2017年4月に「ユーバー株式会社」を設立。現在、豊洲・九段下の2校で幼児・小学生向けのプログラミング教室を展開している。2017年には東京2020公認プログラム世界発信コンペティションのサービス部門で「ユーバープログラミングスクールスクラッチコース」が特別賞を受賞、スクール生が中心となって作ったデジタル絵本は2017年、2018年の2年連続でデジタル絵本アワードキッズ賞を受賞するなど、高い評価を得ている。2018年に「遊びながら楽しく学ぶ!小学生のScratchプログラミング」(共著)をナツメ社から出版。

 

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