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リレーエッセイ Vol.66 吉良俊彦さん

「好きなことでお金を稼ぐ」。この言葉だけをイメージすると、とても簡単なことのように思える。しかし皆さん、本当に好きなことでお金を稼いでいますか? お金を稼いでいることを好きになっていませんか? そして、いつの間にか本当に好きなことを、“趣味”というジャンルに閉じ込めていませんか?

趣味って何だろう。多くの大人にとって、その“趣味”こそが、まさに夢のカタチではないだろうか。「大人になったら野球選手になりたい」「海外で働きたい」「音楽家になりたい」と、誰もが大きな夢を持っていた。ところがその夢は、“趣味”の領域にいつしか押し込まれてゆく。そして多くの人がサラリーマン化し、与えられた仕事を「仕事」として語り、その仕事を好きだと言うようになる。もちろんそれは間違っていない。けれど夢はどこにいってしまったんだろう、と僕は思う。

夢のカタチは時とともに変わる。「野球選手にならずに、野球に関わることをやる」。これは夢を諦めたのではなく、夢が異なるカタチに変化した姿だと僕は思う。そしてこの実現は、とてつもなく難しい。なぜなら、“趣味を仕事にする”からだ。言い換えれば、“趣味でお金を稼ぐ”ことになるからだ。
僕にとっての仕事観は、まさにこの“好きなことを仕事にする”だ。僕の子供の頃の夢は、“サッカー選手になること”だった。この夢のカタチを変えながら、この夢の実現を求めて電通に入社し、『FIFAワールドカップ』第14回イタリア大会(1990年)でメディアの仕事をした。ついにサッカーが仕事になったのだ!

その後も、自分の好きなことは何かを自問自答しながら、それを仕事にしようと考えてきた。その答えを仕事にするために、退路を断って独立した。現在、自分を動かしている仕事は中国ビジネス、教育ビジネス、人材育成ビジネス等である。新しい夢をカタチにすべく、日々活動している。僕にとってすべての仕事はとてつもなく楽しい。なぜならば、それは自分の大好きなこと、やりたいことだから。

仕事にまつわる10問アンケート

  1. 今の仕事が好きですか?

    もちろん大好き。ただ、仕事が好きなのではなく、大好きなことを仕事にしている!

  2. 一生困らないほどのお金が手に入ったら、仕事以外にやりたいことは?

    世界で通用するサッカークラブを創りたい。

  3. 仕事で、"鳥肌が立つほど感動した"ことがありますか?
    それはどんなときですか?

    初めて好きなサッカーを仕事にした「FIFAワールドカップイタリア大会」。尊敬する村上龍氏との仕事は、鳥肌の連続。

  4. 仕事より大切なものは?

    家族との時間。

  5. 子供の頃になりたかった職業は?

    サッカー選手(もちろんプロ)。

  6. あなたの子供に、仕事のためにどのようなことを身につけさせたいですか?
    (※子供をお持ちでない方は、いると仮定してお答え願います)

    他人の24時間を盗むコミュニケーション力。
    ※詳しくは『1日2400時間吉良式発想法』第3章をご覧ください。

  7. あなたの仕事にとってコンピュータとは?

    情報ツールの one of them。

  8. 仕事で成功するために、もっとも大切なことは?

    さまざまな視点でものを見る力。

  9. いま、1時間だけ自由な時間があったら、何をしたいですか?

    多くの人と話して、1時間を何倍にもする。

  10. 最近読んだ本で、仕事に役立ったのは?

    『天地明察』
    [冲方 丁 著/角川書店]

    新しい視点を知った。

有限会社ターゲットメディアソリューション
代表取締役 吉良俊彦(きら・としひこ)

【Profile】

1981年、上智大学法学部卒業後、株式会社電通入社。クリエーティブ局、銀座第四営業局を経て、85年より雑誌局、98年7月企画業務推進部部長、2001年4月より、雑誌局雑誌3部部長に就任。さまざまなファッションブランドとの取り組み、スポーツ・音楽イベントなどを企画プロデュース。
代表的なイベントとしては、1990年ヴァージングループ会長リチャードブランソン氏をリーダーとする「熱気球による太平洋横断プロジェクト」のプロデューサー、1990年ワールドカップサッカー・イタリア大会、94年アメリカ大会、98年フランス大会、2002年日本韓国大会におけるJVC作業プロデュース、1992年アメリカズカップの書籍・写真集「栄光は風に」(講談社)プロデュース、1995年度アメリカズカップ書籍・写真集「海と風の冒険」(ぶんか社)プロデュース。
2004年、ターゲットメディアソリューション設立、代表取締役に就任。他に、日本女子大学講師、大阪芸術大学客員教授、宣伝会議各種講座講師、㈱東急エージェンシー・プロデューサー等を兼任。文化服装学院、慶應大学での特別講師も歴任、また、中国において中国軽工業出版社セミナー、上海国立図書館、北京国立図書館、日中雑誌広告セミナー(北京)等にて講演、その他、企業・出版社・社会人向け講演多数。

【著書】
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